2018年7月 9日 (月)

長持ちする家に必要な条件

スケルトンリフォームのご相談があり、都内のあるお宅を訪問してきました。
今まで叔母さまが使われていた築30年の木造家屋をリフォームし、今度は若い夫妻が使うのだそうです。
これから基礎や土台周り、小屋裏など本格的な建物調査をしっかり行い、構造の検討、間取りの打ち合わせに入ります。
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【長持ちする家について】
戸建リフォームの場合、間取りや素材と同時に考える重要な要素があります。
それは「この家を長持ちさせるためにはどうすればいいか」ということ。
え?傷んでいるところを補修して長持ちさせるのがリフォームじゃないの?
と思われる方も多いかもしれません。
しかし、
リフォームしたらカビが出た・・
リフォームしたら窓に結露・・
リフォームしたところから雨漏れして柱が腐った・・
実は、こうしたニュースを近年よく聞きます。
より便利に、より快適に暮らすためのリフォームなのに、、本末転倒ですね。


それまで風通しのよかった家、床下や天井裏に自然と風が流れていた建物に、断熱材を入れたり、断熱気密性能が高いサッシに交換したり、室内側に石膏ボードを張り巡らせる工事をするならば、換気についてきちっと検証するべきです。
今まで流れる風に触れ、呼吸できていたことで健全な状況を保っていた土台や柱などの構造材が息をつまらせないように。
換気の方法は主に二通りあります。
・自然に空気が流れる構造にする
・機械換気の力を借りる
どちらがいいかは、建物状況や工事規模によりご提案していますが、できれば自然の風の流れをベースに、足りない時は機械換気の力を借りるのがいいと私は考えています。
万一停電した時も、その方が安心ですしね。
今まで何十年と生きながらえてきた構造材が、これからも永く家の土台骨となって、安心安全な暮らしを支えられるようなリフォームを考えましょう。
もちろん、夏涼しく冬暖かく過ごすための断熱工事と同時に実現可能です。


耐震補強工事を希望される方も増えてます。
建物の耐震強度、評点を計算する時、木材と構造金物は出荷時の強度が前提です。耐震強度を維持させるためにも、木材が常に健全な状態であることが重要です。
新築はもちろん、リフォームであっても、長持ちする家のためのキーワードは「構造材を流れる空気に触れさせる」ことです。

本の家ならリフォームも流れる空気が大原則








2018年5月20日 (日)

自然と健康と“暮らし”をデザイン

「そうだ、掃除が楽な家づくりヒント集をつくろう」
今年のGW休暇は、家族事情で少々てんてこまいな日々でしたが、家の不要品を一掃する絶好のチャンスとなりました。独立した息子の部屋にあった残置物もみんな破棄して家の中はスッキリ爽快。

雑巾片手に掃除しながら、ふと、「そうだ、掃除が楽な家づくりヒント集をつくろう」と思いついた。
例えば、素材は無垢の木や漆喰など静電気が起きず埃を寄せ付けないものを。
障子や飾り窓などの横格子は埃が溜まりやすいので縦型デザインがお薦め。
巾木の上にたまる埃の掃除から解放されたいなら入巾木に。
キッチンや洗面所など水栓は付け根に水垢が溜まらない壁付けタイプ。
食洗器を採用するなら換気扇のパーツや五徳を丸ごと洗える大型のものが便利、等々。

実はこれらは日頃の家づくりでご提案しているポイントばかりだが、社内リサーチしたらまだまだ出てきそう。
暮らしを見据えた家づくり、生活力のある女性スタッフが多い当社ならではの冊子が出来そうで楽しみだ。


OBのみなさまにお願いがあります。
お掃除の観点から、「これはよかった」「これは失敗した」というお話、もしよろしければお話お聞かせください。

家づくりの先輩方のご意見が加われば、より充実した冊子になります。
いつも頂いている担当メールアドレス、またはpassive@pppac.com  まで。


よろしくお願いします。





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《只今設計中の鎌倉の家 住宅模型》

2018年3月 3日 (土)

そのバルコニー、必要ですか?

『バルコニーは必要ですか?』
もし使わないようであれば「つくらない」ことをお勧めします。
実際に、新築でバルコニーをつくらないお宅も増えています。

洗濯物は乾燥機と室内干しで。
布団も、最近はベッドの方が多く、さらに軽くて暖かい羽毛布団が主流で、これは陰干しが原則ですから、バルコニーに干すのはベッドパッドくらい。
仕事をもつ主婦が増え、日があるうちに取り込めないから室内に干しておこう、というお宅も多いのでは。

ですから、私はプランをつくる時、お客様に必ず聞きます。
「バルコニーは必要ですか?」と。
もし使わないようでしたら、バルコニーはつくらないことをお勧めします。
むしろ、水回りに近く、風通しや換気環境を整えた室内干しスペースやサンルームをしっかり計画したほうが正解です。

バルコニーの防水は継続してメンテナンス費用がかかる
バルコニーの防水工事の保証は10年です。
保証が切れる前にメンテナンス(再塗装)が必要です。
またメンテナンスをうっかり忘れ、表面にひび割れが起きれば、そこから建物の内部に水が回ってしまうことがあります。
室内の天井や壁が濡れます。すぐに気づけばクロス交換程度で済みますが、雨が降るたびに見えないところの構造材が濡れているとしたら・・・

メンテナンスに費用がかかり、建物を痛めるリスクもかかえるバルコニー。
「つくらない」という選択肢もあるのです。

バルコニーは作りたい、でも10年に一度のメンテナンス費用は節約したい
という方には、こんな方法もあります。
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二階南東の角に設置したバルコニー事例
一階の部屋の上に屋根をかけ、その上にバルコニーを乗せています。
バルコニーの床はすのこ状になっていますので、降った雨はバルコニー直下の屋根に落ち、樋を伝わって排水されます。
防水工事はしていませんので、10年に一度の防水工事も不要です。



家は、デザインや流行りに振り回されず、自然の理にかなったつくり、メンテナンスが楽な形を選びたいものです。
下の写真は、昨年リフォームの打ち合わせで訪問したお宅です。
深い軒の出が、建物を雨から守っています。バルコニーはなく、屋根の上に布団を干していました。
懐かしい風景、日本の家の原点です。
 
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■90分無料コンサルティングのお知らせ

3月より、月に一回、家づくり無料コンサルティングDayをつくりました。
建て替えか?リフォームか?
土地探しの注意点は?
マンションってどこまで間取り変えられるの?
狭小住宅の間取りで困っている・・
展示場を見てきたけど何かしっくりこない・・・

私たちのコンサルティングのスタンスは、お客様にとって一番いい家づくりは何か、を考え、ご提案することです。そのため建て替えを検討されている方へリフォームをお勧めするケースもあります。
分譲住宅やマンションのお悩みでも結構です。
その方の状況や条件の中で、ベストと思われるものをアドバイスさせて頂きます。
ご活用ください!

この光が欲しかった!

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2月18日 08:25
この季節、朝の少しの時間、1階東側の細い窓から直接太陽の陽射しが室内に入って来る。
旧宅では、食卓まで光が差し込むことは無かった。
新しい家では、朝食時に写真の様な光が差し込むことを願っていた。

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建て主さんからこんなメールが届きました。





幸せです。




2018年2月12日 (月)

建築風景と記憶

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今、家を建てている方、これから家を建てる方、是非建築現場を見にいきましょう。
できれば現場が休みではない平日に、
もしお子様がいるご家庭は、是非お子様づれで。

職人たちも作業に支障のない範囲なら施主との会話も楽しみのひとつ。
休憩時間に一杯のお茶を差し入れながら家のことなど話すのもいいと思うのです。
家の建て主の顔が見えるかどうかで、職人たちの仕事の質が変わるわけではないけれど、やはり人ですから、施主の顔が見えればやりがいも増えるというものです。

もしお子様がいるご家庭は、お子様も一緒に、をお勧めしたい。
子供たちにはその時の風景やにおいは記憶に残ります。特ににおいは五感の中でも、記憶が薄れにくい感覚だと言われています。
家を建てて30年40年と過ぎた時も、木のにおいと共にその時の風景はきっと子供たちの記憶の片隅に残っています。


木のにおい
職人たちの動き回る様子
嬉しそうだった親の顔
そして自分たちが暮らした日々

次の世代がそんなことを思いながら、この家を大切に住み継いでもらえたらいいなと、
家をお引き渡しするたびに思います。

長期優良住宅とか、みんなラベルを取るためにお金をかけたり時間をかけたりしているけれど、耐震性とか強い構造設計は当たり前であって、本当に次世代へ住み継ぐ家を建てるってことは、こうした意識が実はとても大切なんじゃないかと。

※工事現場の安全管理上、現場への立ち入りについては担当とよくご相談ください。

 

2018年2月 2日 (金)

霜柱

子供のころ、霜柱の上をザクザク歩くのが面白かった。
霜が降りた朝は、学校への道すがら、友達と道端の霜柱をキャッキャ言いながらザクザクやっていたものだが、そんな光景も、もう昔の話か・・

ちなみに、霜が降りるのは一般的に気温が4℃以下になった場合らしい。霜が降りるのだから氷点下ではないのかと思ったら、気温を計測しているのは1.5mの高さ。地面とはそれだけ温度差があるということだ。

ところで、最近の私の日課は、朝起きて庭を歩くこと。
霜が降りた朝、雨上がりで湿った朝、乾いた朝。その時々で土の硬さが違う、匂いが違う。果樹や木の芽をついばみにくるメジロやシジュウカラたちの声を聞くのも楽しみのひとつ。
(エアサイクルハウジング通信「風の便り1月号」より)


2018年1月31日 (水)

漆喰と珪藻土、どちらがいい?

珪藻土と漆喰、どちらがいいの?

壁や天井の仕上げ材として、漆喰や珪藻土が広く一般的に使われるようになりました。
こうした自然素材の内装材は、吸放湿性能があって、室内の湿度を調整してくれます。ビニールクロスのそれと比較すれば断然快適な空間になります。

そこで最近よくいただくのが
「漆喰と珪藻土、どちらがいいのでしょうか?」という質問。

■珪藻土
海底の植物プランクトン、珪藻の化石が原料。
珪藻土だけでは固まらないため固結材が必要。珪藻土として使われる商品の中には珪藻土は50%またはそれ以下のものもある。
漆喰に比べてやわらかく、素朴で優しい印象の空間づくりには合うが、反面傷に弱く、硬いものでこすると剥げやすい傾向がある。

■漆喰
原料は消石灰(石灰岩)。糊、麻スサや紙スサを混ぜ、水で練ったもの。
天然の糊以外にも、樹脂の糊を使用しているものがある。
塗った後、空気中のCO2を吸収してもとの石灰岩に戻っていく。固く傷つきにくい。

原料だけで比較すれば、調湿性の面では珪藻土の方が勝ります。
でも壁や天井に塗る時、原料だけでは塗れません。ノリや固結材などそこに何が混ぜられているか?ということがとても重要です。
もし、ピュアな自然素材、吸放湿性を求めるのであれば、配合や添加物などを確認しましょう。



自然素材100%であれば静電気が起きませんからホコリもつきにくく、素材本来の機能が生かされます。

今、エアサイクルハウジングで使用している漆喰は自然素材100%です。ノリは銀杏草という海藻を煮てつくります。
かつて珪藻土を使用していいた時代もありますが、今は、傷のつきにくい漆喰をオススメしています。


湿気やペットの臭いが気にならなくなる本物の漆喰。

関心ある方は是非見学会でご体感下さい。
淡路島の左官職人、植田さんに塗っていただいた壁と天井を見学できます。


2月11日(日)13時半~
漆喰リフォーム見学会

詳細とお申し込みはこちらから
漆喰リフォーム見学会@花小金井


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2018年1月29日 (月)

玄関を暖かく

もちろん冬期の話である。
暖かい家を追求しても、玄関まで暖かくしたいと思っている方は少ないかもしれない。
玄関は外の延長線というイメージなのだろうか、、しかし玄関もちゃんとした建物内空間すなわち室内ととらえたい。

玄関まで暖房するのは勿体ない、玄関の開け閉めとともに暖気が外へ逃げてしまうし。
しかも玄関に出るときはコートを着ているなど、玄関を温めなくてもいいという理由がどんどん浮かぶ方も多くいると思う。
しかし家のつくり用によっては、そういう発想は当てはまらない。
これまでも述べてきたが、玄関を温めるといっても、直接玄関の空気を温めるわけではない。
玄関の床や壁・天井が温まるようなつくりであれば、そんな悩みは無用となる。
しかもおまけのメリットとして、靴収納の中も暖かいので、靴の乾燥状態がよく手入れが楽になる。靴を履いた時に冷たく感じない。
玄関の床も暖かいので、雨などで濡れた靴で泥よごれも、すぐに乾燥して掃除がしやすいなど良いことばかり。


こんな玄関、欲しいと思いませんか。

2018年1月26日 (金)

外用の収納スペース

庭仕事の好きな方は、色々と道具なども増えてくる。こうした物の置き場所に苦労している方も多いのでは。

一般的には物置小屋をつくる、市販の物置を購入することになるだろうが、家を建てる場合、この外物置を建物本体に組み込んでしまう、という考えもできます。
建物の外周に外から開閉可能な部屋をつくると連想していただければいい。
そうすれば市販のデザインがそぐわないような物置を置く必要はなくなるし、建物に組み込まれているだけに、よりきれいに丁寧に収納しようという気になるかもしれない。
また最初から設計できるので、置くものや使い勝手を考えて、様々な形が工夫できます。
例えば奥行きは浅く、幅が広いなどというおよそ市販ではありえないような収納のカタチが可能になります。
また必要に応じて、建物の外からの使用ばかりではなく、建物の中からの使用も可能となるなど応用範囲は広く、面白いものになりうる可能性もあります。



2018年1月25日 (木)

温湿度計を家中に置く

前回述べたように、住まいの温湿度を健康に快適に保つことは容易ではありません。

人でいえば体重コントロールがそう簡単ではないのと同じ。
その体重コントロールの第一歩は、毎日体重計に乗る、それも朝晩2回、決まった時間に計って、自分自身を知る、自覚する所からスタートする必要性はよく知られたことです。
それと同じで、少しでも住まい環境を良くしたいと願うのであれば、現状を知るところから始めることをおすすめしたい。
お薦めは、温湿度計を家中に置いていつも見る、そして我が家の状態を知るという作業から始めてみること。
毎日続けていると、そのうち、見る前に身体で温湿度の状況が分かるようになります。
そこから、どうしたらいいか、どうできるかが見えてきます。
温湿度計は幸いそんなに高くはありませんし、空間の数だけ購入して実践していただきけるといいなと思います。
ちなみに複数の温湿度計を買われたなら、1日程度すべてを同じ場所において、計測値に差がないことを確認してください。