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2016年12月 3日 (土)

29年前を振り返って。そして今。

縁あって、私がPAC住宅に関わるようになったのは29年前。

それまで建築とは程遠い業界にいたから建築は全くの初心者。柱くらいは知っていたけれど「梁」ってなんですか?というありさま。
そんな私だったけれど、当時、仕事のテーマが「住まいと健康」だったから、勉強の足がかりは身近な生活の中からいくらでも見つけることは出来たし、新聞や雑誌で気になる記事を切り抜いてスクラップしていたことも結構役に立っていたように思う。
その中にこんな記事があった。
「日本人の3人に1人がアレルギー。家の中のカビやダニ、ハウスダストが原因!」
「家の中の温度差が脳卒中の引き金に!」


家のあり方が人の健康に大きく関与している事実を知った頃、我が家の長男がアトピー性皮膚炎を発症。
主なアレルゲンは卵、大豆だった。すぐに卵をやめて、味噌や醤油も米を原料にしたものに変えた。(詳細はここでは割愛)

住環境にとどまらず、農薬や添加物など食のあり方について調べていく中でわかったことは家の健康も食の健康も同じ、小手先の対策は別の問題を抱え込むということ。


それは、ここ50年の住宅を取り巻く環境が物語っている。
昭和40年代のオイルショック以降、住宅の断熱化が進んだが、一部の断熱手法が家の腐れを助長させた。
腐れから建物を守るため、構造材や建材には大量の防腐剤が使われるようになり、全国でシックハウス症候群急増。
平成15年、シックハウス法施行。ホルムアルデヒドの規制と24時間機械換気が義務付けされた。


根本にある問題はいつも蔑ろにされている。
24時間機械換気システムそのものは否定はしない。
けれど、特に各室をダクトでつなげる第一種換気の場合、どれだけの人が理解できているだろう。それは365日24時間稼働させることが前提で、止めてはいけないということを。

もし止めてしまうとどうなるか・・
それまで流れていた空気が止まり、ダクトの中は結露やカビが生じやすくなる。再び稼働させれば、カビの胞子が各部屋にばら撒かれるというリスクがつきまとう。
だからオフにしてはいけないのです。

薬剤や設備には限界がある。
だから私たちは提唱する。高温多湿な夏、乾燥低温の冬、そして中間期。どの季節にも適応できて薬剤や設備に頼らない家つくりを。
そしてそれを支えているのは、流れる空気に触れる家の構造、自然素材を活かす手法、生活を見据えたきめ細かで自由な設計。

その姿勢は29年前と変わっていない。
12月4日(日)10時半~ 世田谷にてセミナーを開催します。
まだお席は少しあるようです。来られる方はご予約の上是非どうぞ。
・新建材による健康被害、シロアリ駆除剤による環境汚染、家の中の温度差が引き金となる脳卒中や心筋梗塞など、住宅に起因する問題が後を絶たないのはなぜでしょう
・日本の住宅業界は24時間機械換気による高断熱高気密に突き進んでいます。しかしその
家づくりは、木造住宅で最も大事にしないといけない「木の呼吸」を封じてしまうことにならないでしょうか。

・断熱リフォームが盛んですが、建物の部分的な断熱リフォームは、ともすると結露を助長します。壁の中の結露の行く末は??    

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