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2013年7月 9日 (火)

入居者訪問記 尾張旭の家

出合ったのは確か13年程前。当時は店舗建築の設計者として活躍していて、何かの雑誌にも取り上げられていた彼女がこんなことを言っていた。
『店舗の仕事は多少の長短はあってもつくっては壊すの繰り返し。これからは家族が長く暮らせる‘住宅’のに関わっていきたいんです。』と。
その後PAC住宅の設計者としてきめ細かな女性ならではの家をつくり、そして住まいが東京から名古屋に移り一児の母となった今でも在宅で住宅建築にこだわり、住まい手と作り手の顔の見える家づくりにこだわり、嵐のような日々を楽しんで家族と生きている・・そんな阿部葉子さんの入居者訪問記を紹介します。




<尾張旭の家を訪ねて>

入居9年になる尾張旭市のPAC住宅を訪問してきました。

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6月末日でしたが、夏を感じさせるような強い日差し、暑い日でした。
幹線道路から閑静な住宅街に入ったところに建つ、大屋根片流れ、庭の緑が家を一層引き立てている佇まいのいい家。車の音を察して玄関先まで出てきてくれた奥様の笑顔に、初めて訪問する緊張も吹き飛びました。
駐車スペースにあるシンボルツリーが気持よく風にゆれていて、その脇を通って玄関ドアを開けると、無垢の木の家らしい落ちついた印象、作り付けのベンチには、アイアンの一輪挿しが飾れている小粋な玄関でした。主玄関から家族用の玄関を通ってキッチンに直接入ることもできる間取り。そしてPACの家に入ると感じる、独特な感じ、体にやさしく快適な空気感を感じました。(外気温度 29℃室内温度25℃ 湿度49%)



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くつろぎの間へ入った瞬間、庭の緑と吹き抜けの大空間、そして太い梁組が思わず目を見張るほど。とてものびやかな開放感で、思わず天井を見上げてしまいました。
この梁に梁がのったような十字に組んだ梁組は「渡り顎(わたりあご)」。梁の力強さをさらに感じさせています。使われている梁や床材、窓枠や造作、手すりなど木部は、国産のスギや桧。新築当時は、赤ちゃんの肌のようにほんのり桃色だったことでしょう。9年経ち飴色に焼けてすっかり馴染み、落ち着いた色合いになっていました。

自然素材の良さは、時間が経つことで馴染み味わい深くなっていくことだと思います。また、家に入った時感じる独特な快適感も、PAC工法+自然素材(呼吸している材料)の効果です。床の手入れは普段掃除機のみ、1年に一度ワックスをかけるぐらいとのことでした。

室内はくつろぎの間を中心に広がり、建具はすべて引き戸、普段は開けてワンルーム感覚で過ごされているそうです。この日も南北・東西によく風が抜けていました。

1階に玄関・家族玄関・キッチン・くつろぎの間・寝室・洗面浴室・トイレ・階段下収納があり、将来歳をとり階段の上り下りが難しくなっても1階だけで生活が出来るようになっています。
階段を上ると2階は、納戸・予備の間・子供部屋、そしてバルコニー。大きな吹き抜けから一階のくつろぎの間を見下ろすのはとても楽しい眺めでした。各階にまとまった収納スペース(納戸)があることも、すっきり片付いた家を保てる要素だと思いました。
奥様は、くつろぎの間にある階段に座りながら「庭の木々が風にゆれる様子を眺めるのが好きです。」と教えてくれました。



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くつろぎの間の一部に、琉球畳をしつらえた堀こたつ式のテーブルがあり、そこでKさんの家づくりについてお話を伺いました。
当時は社宅に住んでいて、お子さんの小学校入学前に家づくりを計画されました。縁あって土地も見つかり、さてどんな家を建てようか、住宅展示場も一通り見学されたそうです。
「当時も素敵なモデルハウスは沢山ありましたよ、でも、いろいろ有り過ぎて、だんだん私は疲れてしまいました。もう、あるハウスメーカーでいいかなと思っていたのですが、主人が家の熱環境、断熱の外と中について納得できる説明がないと決めかねていました。そんな時にPACの資料請求はがきを出し、資料が届き、直接説明を聞き、やりとりをしてやっと納得できる家を見付けたと決めました。」
設計者と打ち合せがはじまると、奥様は子供のころから新聞チラシ等にある家の間取りを見るのが好きだったこともあり、要望資料として自分でも間取りを描いたそうです。
そして設計者から提案されたプランは「今まで思いもよらなかった間取り、木をたくさん使ったプランに感激して、素敵だなと思い、プランもすんなり決まりました。着工して、現場で地縄を張ってもらった時は、とっても小さく見えてなんとも心配でしたが、柱が立つとそんなことはありませんでしたね(笑)。」

そして入居から9年が経ち、お子さんたちは中学3年生と1年生。梁に下げたアタック練習用のバレーボールが、低く感じるようになるほど成長されました。

Kさんの夏と冬の過ごし方について伺いました
◆主な冷暖房機・・・クーラー1台 シーリングファン1台 扇風機 オイルヒーター1台。
(PAC専用のかくれんぼう設置なし)
「夏は、窓を開けて風通しを良くしているので、クーラーを一日中つけることはないです、クーラーは、猛暑の時、我慢できない時に使う程度。風呂上がりなどにクーラーにあたって涼んだりすることはあります。冬は、オイルヒーターを使いますが、立ち上がりまでクーラーを補助的に使用。温かい空気が吹き抜けに上がってしまうので、シーリングファンで下に温かい空気を下すようにしています。」
シンプルですが、快適に暮らしているとのことでした。

電気料金 
夏 おおよそ5.000月/円程度 
冬 暖房機具(オイルヒーター)使用ピーク月は20,000円程度
ガス料金 
夏 おおよそ5.000月/円程度 
冬 おおよそ7000円程度

名古屋市平均電気料金 おおよそ9.400円/月 
     平均ガス料金 おおよそ8.700円/月   ※(木造2階建4人家族・中部電力データ)

もともと、必要以上の快適さを求めず、無理せず自然と寄り添って生活する、できるだけ無駄なものはいらないというスタンスで生活されてきたKさん。家づくりで衛生設備を選ぶ際も、必要以上の機能がついているものが多く、はたして本当に必要なのだろうかと考え、シンプルなものを選ばれたそうです。
震災以降住宅の省エネや創エネに多くの人が関心を持つようになり、太陽光発電をはじめ、創エネの先行投資として高額な設備を取り入れることも増えてきましたが、パッシブなPACの家を上手に住みこなしながら出来るだけ無駄なものはいらないとするKさんの生活は、私たちが上手にエネルギー問題と向き合っていくベースになるように感じました。
Kさんにとって、家を持つということは、どんな意味を持つものになりましたかとお聞きすると
「この家が納得した生活を支えてくれています。安定した土台がしっかりとでき、ぶれない生活がおくれています。親として、ここで子供達が育っていってくれることは感慨深いものだなと感じています。」とゆっくり言葉を噛みしめながら答えてくれました。
最後、帰り際に家の外観の写真を撮らせてもらいながら、奥様が嬉しそうに「今でも、時々、部屋に黄色の明かりがともると、家の周りをまわって我が家を見るの、いいなぁって。」
この家はとても大切にされて幸せな家だなぁと感じながら嬉しく訪問を終えました。


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pencilKIDS&BABY  「子供の勉強スペースについて」
中学3年・1年生の男の子がいらっしゃるご家庭ですが、子供たちの机とベットを購入したのはごく最近。2階に子供部屋もありますが小学校入学時には学習机も購入されなかったそうです。
奥様より「学校から帰ってきて、ランドセルを2階まで持って行き、勉強するより、くつろぎの間にあるカウンターデスクで二人並んで勉強しているほうが自然でした。今でも翌日の時間割はここでしていますよ。」

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カウンター右側がお兄さん、左側が弟さんの専用スペースだそうです。
お兄さんは、小学生の頃、昆虫博士で図鑑がボロボロになるまで愛読したり、鉱物収集に熱中する時期があり、夜、家族で頭にヘッドライトをつけて昆虫探しにもよく行かれたそうです。
子供の知的好奇心を、家族で共有するスタイルだからこそ、子供部屋に学習机は必要なかったのかもしれません。
(2013年6月 阿部葉子)


Kids&Baby のページ
http://www.passive.co.jp/kidsbaby/index.html




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